映画

ヒミズ【超絶鬱漫画の実写映画版!雰囲気は出てるが…】

古谷実さんという漫画家さんをご存知の御仁は居るだろうか?代表作は「稲中卓球部」と言えば「あぁ…!」ってなる人も多いと思う

どうもエヂです⎛´・ω・`⎞

あの有名なギャグ漫画の金字塔で有名な古谷実さんが稲中以降、社会の闇を炙り出すような身近に潜む闇の実態…みたいな世界を描くようになったのは知る人ぞ知る話であり、今作「ヒミズ」も稲中以降の作品の1つだったりする

あらすじ

中学生の住田祐一(染谷将太さん)は母(渡辺真起子)が営む貸しボート屋を切り盛りしながら震災で家を失くしたホームレス達を貸しボート屋の敷地周辺に住まわせてやり、時に話し、笑い、静かな平穏の中、暮らしていた

そんな普通の中学生とは少し違う環境で生きる住田祐一を、ずっと見つめ続けていたのが同じクラスの茶沢景子(二階堂ふみさん)だった

茶沢は自身もまた母(黒沢あすか)からひどい虐待を受けており、理想論より現実と向き合う姿勢を持つ住田に惹かれ、彼に煩がられながらもちょっかいを出して、何とか彼と話をしようとしていた

そんなある日、住田と共に暮らしていた母親が置き手紙を残して男と失踪してしまう…

これをキッカケに住田が守ろうとしていた小さな、普通の生活が全て崩れ落ちる…

そんな住田を見て、住田に思いを寄せる茶沢景子は生活を心配するが、やがて住田はすべての元凶である自身の父に殺意を抱き始める…

雰囲気は凄くあるが…

監督は「冷たい熱帯魚」等を監督…凄く面白かったんだけど、残念ながら色々あって表舞台から去る事になった園子温さん

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俳優陣は主演の染谷将太さん、二階堂ふみさんや、渡辺哲さんの他、所謂園子グループである神楽坂恵さん、吹越満さん、でんでんさんや、珍しいところでは窪塚洋介さんなんかも脇役に居たりして非常に豪華

主演の染谷将太さんと二階堂ふみさんは共にヴェネツィア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞している評価の通り、時に激しくもわざとらしさを感じさせない自然な演技は思わず目を止めてしまうものがある

どちらも声量が大きく、叫ぶ演技が上手いんだな…って印象

原作では住田と同い年の同級生夜野正造が何故か渡辺哲氏演じるホームレスのオッさんに変わってるんだけど、確かに住田と同い年設定であのキツい役をこなせる俳優を探すより、原作を変えた方が早い気がする

それにそもそも、夜野という存在自体無くて…住田の中に居るキャラクターが可視化してるだけ…って説もあるもんな

全体的に悲壮感に満ちており、前半でこそ笑いが起こる場面もあるが、中盤以降はもう全く笑えない空気になる

全体的には原作である「ヒミズ」を踏襲しているものの、原作を触りすぎた感があり、ちょっと違う話になりかけているような印象

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ちょいちょい違うストーリー

ホームレスと暮らす…というより、原作では一見普通に見えるが実はサイコのホームレスが1人転がり込んで来たワケで、このホームレスのエピソードはまるっとカットされている

そうすると所謂、園子グループである神楽坂恵さん、吹越満さんが丸ごと要らない…という事になるんだけど、住田の友達である夜野正造をホームレスに変える事で役を作り出した感じがする…

住田にだけ見える住田の闇を具現化した化け物はカットされてるんだけど、これに関しては中途半端なCGで再現するくらいならバサっと切るのはありだと思うし英断だと思う

しかしながら、アレが無くなる事で住田の内情…心の声が見えなくなってしまう…というデメリットが残り、更にラストシーンに希望を残してしまった結果、この映画が「ヒミズ」では無くなってしまった原因だと思う

うわぁ…最後触っちゃったか…

後、アタシ世代が観ると映画の最後でプラトーンの挿入歌が流れた段階で、どうしてもウィレム・デフォーしか想像出来なくなってしまったりして…

先日の「飛んで埼玉〜琵琶湖より愛を込めて〜」でも映画の最後に「The Godfather PART III」の音楽が流れたりして同じ事を感じたんだけど、やはり映画音楽は映画を作る大きなファクターなんだよな…

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そんなワケで映画「ヒミズ」は雰囲気はあるけど、原作のファンは納得出来ないかも…

逆に原作を知らない社会派ドラマ好きなら楽しめるかもしれないな…という感じです、はい…( ˘ω˘

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