映画

さまよう刃【面白い…とか、そういうのでは無い問題提起作品】

その昔はアメリカの映画以外観なかったんだけど、最近は割と雑食派になっており…英語のアクションやスリラー、ホラーも勿論、新撰組からジャパニーズSFまで割と何でも深夜のレパートリーに加えるようになってきたエヂです⎛´・ω・`⎞

この「さまよう刃」は何時からだったか忘れたけど、Netflixのトップに出てくるようになった作品で、先日何気なく眺めていた時に見つけて気になったんです(さまよう刃はU-NEXTでも視聴可能です)*本ページにはU-NEXTのプロモーションが含まれています

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小説家の東野圭吾氏が原作なんだけど、東野圭吾氏と言えば「白夜行」や「容疑者Xの献身」等が有名なミステリー作家である事と、この作品がNetflixの日本ドラマ作品では珍しく全6話の続き物…というのが物珍しく感じて観てしまった次第…

あらすじ

妻を病気で亡くした長峰重樹(竹之内豊さん)は、一人娘の絵摩と2人で静かに暮らしていた

最近になり、ようやく妻が居なくなった2人の暮らしに笑顔も出るようになり、小さな幸せを感じ始めていたそんなある日…

アルバイトから戻る筈の時間になっても絵摩が戻ってこず、長峰がシャワーを浴びている間にスマホに残された絵摩からの着信履歴に電話をしても圏外になる事に胸騒ぎを覚える長峰…

絵摩の友人に電話をしたり、絵摩が降りる筈の駅を探したりしたがやはり絵摩は何処にも居なかった

そして数日後、川から絵摩の遺体が発見され、悲しみに暮れる長峰の元に犯人の名前と居場所を告げる密告電話が掛かってくる

電話の情報を元に辿り着いた荒れ果てたアパートの一室で、沢山の女性達の写真や下着、DVDを見つける

DVDを見た長峰の目に飛び込んで来たのは2人組の男に陵辱される絵摩の姿…

そこで不意に扉が開き、DVDに映っていた男、判崎敦也が帰宅…長峰と鉢合わせてしまう

長峰は判崎の顔を確認するや否や逆上し、判崎に刃物で切り掛かり、虫の息の判崎から主犯格の菅野快児が長野県のあるエリアに潜伏している事を聞き出してから判崎を殺め、猟銃を手に長野に向かうのだった…

少年犯罪被害者の悲痛

このドラマは中々に深いテーマ…「少年法」の是非を問う…というか、こんな現状なんですけど、皆さんこれでいいと思いますか?みたいな投げかけを感じる

映画の中で菅野快児と判崎敦也らは自分達の欲望を満たすためだけに場当たり的且つ、日常的に犯行を繰り返しており、そしてこれは確かに何時誰の身に降りかかるやも知れないような事なんだ

道を歩いていて雷にうたれるようなものかも知れない

で、映画の中にはもう1人、中井誠という菅野と判崎の同級生が出てくるんだけど、実は2人から金づるとして良いように使われているだけであり、早い話がいじめられているワケで…本人は抜けたくても報復が怖くて抜け出せない…みたいな構図がある

実際には中井は絵摩の拉致までは関わっていながら、後にたまたま掛かって来た父親からの電話でその場から離脱…つまり、死体遺棄には関わっていないんだけど、菅野から「もしも喋ったら…俺、5、6年で出てくるけどそれから解ってる?」と凄まれるシーンがあり、菅野が完全に少年法をアテにしている事が解る

近年、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられながら、酒もタバコも吸えない新成人…という、一見誰得新成人システムみたいなのが施工されたのは、こういうのも関係あるんだろうなぁ…

まだ未成熟で今後、更生の余地がある若者を成人と同じように裁くのは殺生過ぎるし、まだ未成熟なだけに環境を変える事で性格の矯正が可能である…という事で少年法があるのだろうけど、現実は全員では無くとも再犯率は高いらしく、やはり極端に逸脱した人間は未成年であろうとしっかり裁くべき…ってのは誰でも思う所だと思うんだけどねぇ…

読めないラストの展開

まぁ…このドラマは「娯楽」では無いし、アレなんだけど、全体的に凄く淡々…と物語が進んで行く

物語の導入部の1話に関しては、目まぐるしく物語が動き一気に引き込まれるんだけど2話目以降に関しては、ただ淡々と長嶺が菅野に迫って行く様子が描かれる

2話目からは終始、淡々と物語が進む

途中でペンションを経営する親子に出会い、長嶺に同情して長嶺に協力してくれるようになる丹沢和佳子(石田ゆり子さん)が出て来て、長嶺が殺人犯なんだ…という事がバレたりするシーンがあったりするんだけど、この辺りも全然ドキドキ感が無く、丹沢和佳子の心情もちょっと押し計りにくい…もしかしてドラマオリジナルキャラクターなのかと思いきや、ちゃんと原作にも出て来たりして、いくつか盛り上がりそうな場面はあるにはあるんだけど、結局最後まで淡々と終わった印象

ただ、ラストの展開だけは全然読めないので、最終的に長嶺は、菅野はどうなるのか?また、これは最初からずーっと気になる事なんだけど、そもそも長嶺に菅野と判先の名前と居場所を密告したのは誰なのか…?という答えは凄く意外だったりする

まぁ、全てが分かればドラマのイメージ画像の意味とかも解るんだけど、その2つを見るためだけに最後まで見て、あーそうだったのか…という印象

2009年の映画バージョン

実はこの「さまよう刃」はアタシが今回観たドラマ版の他にも2009年に公開された映画版、後Netflixでは韓国版もあったりする

2009年の映画版はNetflixには無く、今だとU-NEXTかAmazon prime videoで観る事が出来るんだけど、こちらは長峰役が寺尾聰さんで、長峰を追う刑事織部孝史役に竹野内豊さん、警部補の真野信一役に伊藤四郎さん…という顔ぶれで、ドラマ版にいた國村隼警視役と真野警部補が入れ替わっている?みたい

また、竹野内豊さんが両方の作品に大事な役で出ている事も面白い点で、10年以上も経つのに何も変わらない…という凄さもビックリするんだけど、演技は変わっていて、ドラマ版の方を見ると熟年の渋みみたいなのも出て来ている感じがする

ドラマ版が6時間という長い尺で物語を追うのもあり、淡々とした印象なのに対して、映画版は112分という尺なのもあり、比較するとかなりテンポが良い

ただ、アタシ個人的には役者陣の演技を比較するとドラマ版の方が色々な意味で厚い感じがしたし、ドラマ版の方がハッキリとした描写が多くて分かりやすいと感じた

ちょっとテーマが重く、蓋をしがちになる人も多いと思うし、自分もその一人である

ただ、雷が落ちるようなものである事も分かるし、何時自分の身に降りかかるかなんて分からないんですよ?その時どうしますか?っていうのも分かる

実に難しいテーマのドラマでした

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