映画

戦国自衛隊【What if…昭和のSF名作!役者の演技が凄い!】

果たしてJJサニー千葉…と聞いて「あぁ…千葉真一ね」って解る人がどれくらいいるのだろうか…

多分、今だと「新田真剣佑のお父さん」と言った方が「へぇ…そうなんだ…」ってなる人の方が多いかも知れない…そんな事に時の流れを感じているエヂです⎛´・ω・`⎞

定期的に観たくなる名作映画…アタシは洋画大好きっ子なんだけど、定期的に見たくなる邦画の名作というと、この「戦国自衛隊」が頭に浮かぶんだ

1979年制作のこの映画…色々ツッコミどころはあるにせよ、今の日本映画には無い、まるで憑依したかのような演者達の演技が凄くて、喋らなくとも表情から伝わってくる気迫…みたいなのが主演から脇役まで徹底しているのがただただ凄い作品

SFX等無いに等しいこの時代…作品に説得力を持たせるには演者の鬼気迫る演技が重要だったんだろうな…( ˘ω˘

因みに映画「戦国自衛隊」はU-NEXTから視聴可能です(本ページにはU-NEXTのプロモーションが含まれています)

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あらすじ

伊庭義明三等陸尉(千葉真一)率いる自衛隊一個小隊は演習地に向かう途中の海岸で、奇妙な閃光に包まれ演習補給地ごと400年前の戦国時代にタイムスリップしてしまう

物語は唐突なタイムスリップから始まる

自体が見込めないまま戸惑う彼らは、当地の武将が率いる軍勢に襲撃されるが、これを戦車、ヘリコプター、装甲車などの近代兵器の火力でいともあっさりと撃退する

そんな一行の姿を見た戦国武将、長尾景虎はその奇妙な兵器と彼らの力に見惚れ、伊庭義明三等陸尉らに話しかける

その後、再び景虎と敵対する軍勢に大量の矢で襲撃される一行は戦いの最中、関おさむ二等陸士と堀健児二等陸士らを失い、今身の回りで起きている事が夢でも何でもなく、戦いの最中に放り出されたのだ…という事を否応なく自覚するのだった

伊庭と矢野隼人陸士長が機関銃を乱射して敵の陣地へ乗り込むと、景虎軍がその後に続いて敵兵に切り掛かり、一行の前で敵将の首を取り雄叫びをあげる

そして、戦いの後に伊庭は景虎から「あなたは戦国の世で生きるべき人だ」と、一緒に天下を取ろうと誘われる

戸惑いながらも内心で戦国時代を謳歌していることに気づき始めていた伊庭…そんな2人の間に友情のようなものが芽生えるのに時間は掛からなかった…

2部構成の物語

この戦国自衛隊は大きく分けて2部構成に分かれており、前半は伊庭対矢部の内部抗争が展開され、後半は景虎との共闘とその行く末が描かれている

昔の邦画なんて…と思うなかれ…凄いよこれ…

千葉真一演じる伊庭は、部隊を率いるリーダー格的存在…というか軍隊では司令塔的存在なのに、かなり優柔不断な一面を持ち合わせており、例えば自分より下の立場である矢野隼人陸士長(渡瀬恒彦)にハッキリとものが言えなかったりする…

確かに昔矢野とは一悶着あり、矢野がかつて軍内部でクーデターを起こそうとしていた時に、内定調査をしていた伊庭がそれを阻止したせいで矢野から恨まれている…という背景はあるにせよあまりに情けない描写が複数ある

大体、クーデター計画なんて物騒な事を計画していた男の計画を潰しておきながら、その男をそのまま部隊に居させている…という時点で突っ込みどころ満載

因みに矢野は上官の伊庭に対して非常に態度が悪く、言葉使いも「ですます」調では無くタメ口であり、伊庭が乗る車を後ろからぶつけて車上の伊庭を車から落としておきながら、更に転げ落ちた伊庭の向こう側に手榴弾を投げたりする…という冗談では済まないような事をするんだけど、こんなのでは周りにいい影響があるわけない

前半部 伊庭対矢野

言わんこっちゃ無い、結局矢野は伊庭と袂を分かち、二人の部下を連れ立ち、哨戒艇の護衛任務についていた小野章一郎三等海尉を刺殺し、哨戒艇を奪い部隊を離れる

かつて、矢野が企てていたクーデター計画を潰しておきながら矢野を野放しにしていたため、結局自分の身に火の粉が降りかかる事になるという、伊庭の優柔不断の成せる技である

周囲の村を次々に襲い、略奪と殺人に強姦を繰り返す矢野に対して、この期に及んで無線で投降を促し再び軍に戻るように説得するという甘々の伊庭だったが、矢野は拒否

最終的にはヘリコプターにロープでぶら下り…不安定な体勢でクルクル回りながら突撃する伊庭を囮にして、ライフルで矢野を狙撃する…という作戦で伊庭対矢野は幕引き

戦国時代にタイムスリップして、戦国時代の武将達に現代の圧倒的火力を見せつけて視聴者の胸を躍らせておいて、いつの間にか仲間内での争いになっている構図…という事を視聴者に殆ど気付かせないまま前半を終了させる…という構成は見事であり、いつの間にか戦国自衛隊の物語に引き込まれてしまっているのを感じる前半

後半部 景虎と共闘

景虎に「あなたは戦国の世で生きるべき人だ」と言われ、すっかりその気になった伊庭が景虎と急速に仲良くなっていくんだけど、この辺りの友情を育む様子…みたいなのがロッキー2のロッキーとアポロのようなキャッキャウフフ感溢れる描写がわかりやすくて非常に良い

因みに長尾平三景虎を演じるのは夏木勲さんであり、最近だと「そして父になる」とか「永遠の0」なんかに出演されているんだけど、時にコミカルに、時に眼光鋭く景虎を演じられており、現代の俳優さんには無い雰囲気と演技力には脱帽である…そう、この時代の俳優さんには「雰囲気」があるのだ

侍の「雰囲気」みたいなものを感じる…

現代兵器を過信して徐々に過激になっていく伊庭は、武田信玄軍との戦いで敵側の策に見事にハマり戦力をズタズタにされながらも何とか辛勝するんだけど、ここで殆どの現代兵器を失いながらも武田信玄の首を討ち取り、最終的に勝ってしまうところが面白い

現代の物語だと、現代兵器を過信して最後にはやられちゃうとか、そんな終わり方とかになりそうなんだけど、彼らは信玄を拳銃で倒してしまうのだ…この展開に視聴者は「ほんでほんで…?ゴクッ…」っとならずに居られない…

一方その頃、景虎はどこのどいつか解らない人間が天下人になるのはおかしいだろうと朝廷に言われ、伊庭との友情と世の流れの中で板挟みにあいながら、伊庭を討つために進軍を決意する…

前半部だけでのお腹いっぱいになりそうだったのに、後半部は思い出したようにちゃんと主題であった「IF」の物語が展開され、途中までは伊庭無双で非常に爽快!

後半は現代兵器と言えど、数の暴力にやられちゃうのが凄く口惜しい…_(:3 」∠)_

脇を固める俳優陣

1979年の映画なので俳優さんも知らない人ばかり…なんだけど、中にたまーに知っている人が出てくる

まぁ、千葉真一は置いといたとして、彼女と駆け落ちをする約束をしたままタイムスリップしてしまい、彼女(岡田奈々さん)を探し求める菊池弘次一等陸士にあのスターにしきのこと「にしきのあきら」のアニキが出ており、そのアニキと一緒に行動をする西沢剛一等陸士に「鈴木ヒロミツ」氏

現地で夫を亡くし、未亡人として暮らす女とその子供達の父になる事を決めた根本茂吉二等陸士に「かまやつひろし」氏

自衛隊の男に惚れて、身一つで部隊に付いてきて、結局最後は好きな人にトドメを刺す事になるみわ役に「小野みゆき」さん

子供のような顔をした武士に「薬師丸ひろ子」さんが出ていたり、草刈正雄さんがちょい役で出ていたり、宇崎竜童氏が落武者で出ていたりするんだけど、何と言っても自衛隊のヘリを落とす敵の武士、武田勝頼を演じる駆け出しの頃の「真田広之」氏の若さにビックリする

突っ込み所満載

見ていて面白いところが沢山あるのもこの映画…というか多分「この時代の映画」…と言うべきかもしれないんだけど、いやそれはおかしいだろwって場面は割と多い

タイムスリップを簡単に受け入れすぎ

タイムスリップしたかも!

「三尉…タイムスリップかも…」って、ぃゃぃゃ…wそれは「もしかし過ぎ」だろw

大人…ましてや自衛官の情報分析能力の中にタイムスリップはそんな簡単に出てこないと思うんだけど、この映画ではタイムスリップした後、冒頭の早い段階で上記のセリフが出てくる

そして挙げ句の果てには上官である伊庭が「我々が天下を取れば、(歴史を変えた)そのショックで元の時代に戻れる筈だ!」とか突拍子も無い説を口にするあたりは素晴らしいツッコミ待ちポイントである

自由過ぎる風貌の自衛隊員

自分…自衛隊員っス!!

自衛隊員って恐らく今でも身だしなみには凄く厳しいと思うし、昭和なら推して知るべし…なんだけど、この映画に出てくる自衛隊員はロン毛にグラサンだったりしていてかなりリベラル

統率された軍隊では無く、何となく傭兵軍団のようなバラバラさ加減が全編に漂っている…

不審者にマシンガン「撃ってみますか?」

ちょっと撃ってみますか?

馬に乗り腰に刀を携えているという、どう見ても不審な人物である景虎がマシンガンに興味を持っているのを見て伊庭が言い放つセリフが「撃ってみますか?」である

景虎は楽しそうにマシンガンを撃ちまくるんだけど、自衛隊員でも何でも無い初対面の第三者…しかも明らかに不審な人物にマシンガンを撃たせるという…これまた自由溢れる姿が凄い…

タイムスリップしたかもしれない…というのであれば、もう弾も燃料も手に入らないんだぞ!大事にしろよ伊庭っ!そういうとこやぞ!

押すなよ?絶対押すなよ?

こんなのもうコントだろw

部下には「撃つな!撃ってはならんぞ!!誰も撃ってはならんぞッ!!」とか叫びながら、マシンガンの基台に飛び乗りマシンガンを撃ちまくるクレイジー伊庭が楽しい

「撃つな!撃ってはならんぞ!!(俺が撃つからw)」

しかもその後、更に手榴弾を放り投げて敵を始末する

更に、武田信玄との一騎打ちの際、正々堂々と一騎打ち…みたいなそぶりを見せながらも最後は隠し持っていた拳銃で信玄を撃つという子悪党ぶりにシビれる…_(┐「ε:)_

と、まぁツッコミ所は色々あるけど…そんな事は力技でねじ伏せてしまうくらい俳優陣の演技が熱く、雰囲気がある戦国自衛隊…オススメです!

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