個人的に「とんかつ」ってのをあまり食べない…というか、結局どうしようが脂っこいので敢えて選ぶ事は無いエヂです。⎛´・ω・`⎞
ロースを選ぼうがヘレを選ぼうが、衣がもう脂っこいし、ロースは凄い脂が多いイメージなんですよね。
だから基本的に「とんかつ」ってあまり選ばない。それは例えばカレーの上に乗っかるやつでも同じで、例えばココイチとかでも海老カツを選んじゃう。
そんな私の「豚カツ」に対するイメージを覆してしまったのが「空蝉亭」さん。
この一見、京町屋風の暖簾が無ければお店とは気付かないお店の豚カツに驚愕する事になる…。
因みにこのお店、ミシュランガイドにも掲載されているそうです…ナルホド…。( ˘ω˘
ロケーション
京都市は上京区、千本丸太町を西に行って少し北に入った浮田町という場所にあります。ちょっと細々した道で千本丸太町辺りは交通の往来が多いので他府県の人には解り辛い気がする。
お店には駐車場はありませんが、周辺道路には100円パーク多数。この辺りは一方通行だらけなので用心しましょう。
予約していかないと入れない
お店は席数が少なく、基本的には予約マスト。私が行った日も表に「本日はご予約様で満席です。」の張り紙がしてありました。
ここまで来て入れないとなるとガックリくるので必ず予約してから行くようにしましょう。
中は京町屋風建築になっており、畳敷きの部屋にテーブルと土間部分にもテーブルが大小置かれた狭い空間になっています。
イタリアの小さなお店みたいな雰囲気で、イヤな感じじゃないこじんまりした感じ。
私は予約の時間より少しだけ早く入ったのですが、予約の時間になるまでは店員さんがサービスを開始しないという面白いシステムw
ある意味斬新だわw
素人には解り難いメニュー
時間になると店員さんがメニューの説明に来てくれます。
- 鹿児島県産南州ポーク
- 熟成ロース 150g 2300円
- 熟成ロース 200g 2700円
- 熟成ロース 300g 3500円
- ヘレかつ 160g 2700円
- 追加 80g 800円
- 千葉県産 林SPF
- ロース 150g 2600円
- ロース 200g 3200円
- ロース 300g 4200円
- ヘレかつ 160g 3200円
- 追加 80g 1000円
- リブロース 250g 3500円
すべてのトンカツにバーニャカウダ・麦飯・お味噌汁がつきます。
というのがメニュー。
私のような肉バカは理解できますが、普通中々これだけの情報では何を頼むべきなのか…?ってのが解らないと思うのだ。
まず、豚の銘柄を選びます。
私は両方食べましたが、感覚的には林SPFの方が脂身が少なく歩留りがいい気がします。但し、その分値段も高いので、結局どちらを選んでも食べられる肉(身)の量は同じくらいの値段になるような気がします。
選び方の例
- 鹿児島県産南州ポークの熟成ロース150gとヘレかつ80g
- 林SPFのロース150g
- 林SPFのヘレかつ160g
目安として、男性ならロース150gとヘレかつ80gは普通に食べられると思います。逆に女性だとこの量はちょっと多いと思いますのでロース150gだけにするとか、ヘレかつ160gだけにするとかすればいいかと思います。
価格的に何度も何度も来る頻度の高いようなお店では無いと思うので、来たからにはやっぱりロースもヘレも食べたい!ヽ(`Д´)ノ
1人でロース150gとヘレかつ80gを食べるも良し、ロースだけを頼んでヘレだけを頼んだ彼女をシェアするのもありだと思います。
因みにロースは脂身がついた豚の生姜焼きとか、トンカツに使われる部位で、ヘレはヒレとかヘレとか呼ばれる柔らかい赤身の部分です。リブロースは恐らく肩ロースが出てくるのだと思っていて肩ロースって真ん中に大きな脂身が入ったお肉になりますが、あの説明では肩ロースをオーダーする人が居ないような気がする…。⎛´・ω・`⎞
SPFってのは無菌豚ってやつで菌がつかないような状況下で育った豚の事を言います。
林SPFは京都で食べられるのは空蝉亭のみ。
南州ポークも関西で食べられるのは空蝉亭のみ。
ただし、SPF(無菌豚)ってのは普通にスーパーにも卸されている豚であり、それ程珍しいものではありません。山嶺霧島SPFポークとか普通にスーパーにあります。ただ、基本的には中々「SPFだけを選べない」って事になってます。(卸業者との関係次第も、通年で同じ物を維持するのは結構難しい…。夏場とか豚がダレる時期がありますからねぇ…。)
バーニャカウダから普通に美味い!
先ずはバーニャカウダから始まるコース…。
バーニャカウダソースは固形燃料で下から熱されており、そのソースに冷たい京野菜を浸して頂く…。
って、気付けばもうこの時点で空蝉亭の世界が始まっている!:(;゙゚'ω゚'):
この京野菜は主役が登場する前の前座…舞台を温める役ですが、充分過ぎるくらい活躍!
色々な種類の京野菜が薄切りに重ねられており、それを1枚ずつ剥がしてバーニャカウダソースに漬けて頂く…。
味と歯応え、両方で楽しみつつ…このバーニャカウダソースもチーズが効いてて凄く美味しい…。
食べたことが無い食感のトンカツ!
バーニャカウダが下げられた後、いよいよトンカツの世界に向けて事が動き出す…。
まず運ばれてくるのはトンカツソース達…。
普通に甘味のあるトンカツソース。独自のポン酢とすりごま、2種類の塩とすだちに香の物。
続いて運ばれてくるのが麦ご飯とお味噌汁。
ちょっとお茶碗少な目くらいの分量が丁度いい。主役はあくまでも肉なのだ…。
お味噌汁は具材にゆばが入ったいかにも京都らしい1杯。
そしていよいよ満を持して登場するのがこのトンカツ…。
これは南州ポークの方ですが、もう全然脂身が無い。
ロースもヘレもどちらも真ん中の部分がほんのりピンク色に火入れされているのがこの空蝉亭さん特有のスタイル…。
早速、トンカツソースに沈めてロースをちょっと頂いてみる…。
噛んだ瞬間「あっ!!」ってなる。
普通のトンカツが持つ食感と違うのだ!
この分厚い肉は驚く程柔らかく、しかしながら肉々しく、口の中で小さくなる…。
脂になるわけでも無く、肉は肉のまま小さくなるのだ。
これは凄い!
この分厚さに一瞬躊躇してしまうが、口に入れてさえしまえば肉は小さくなりながら口の中で折り畳まれていってしまう…。
ヘレに関しても同様。
凄く肉々しいのに噛めば噛むほどに小さくなっていく…。でも、溶けるワケでも無く、肉の繊維が生肉のような千切れ方をして口の中で千切れて行くのだ…。
こんなトンカツ喰った事無い…!:(;゙゚'ω゚'):
それくらい驚いた。
これはもうトンカツっていうよりは豚ステーキだと思う。つい先日フィレンツェで食べた仔牛肉のステーキのようなモンである。
ぃゃ…これは凄いですね。
お会計も凄いけど、この豚ステーキなら決して高くは無いと思う。肉好きの人は是非食べて欲しい1品。( ˘ω˘