かつてマトリックスという映画を観て「もしも、今の世界がリアルじゃ無くて、仮想現実だったら…」というコンセプトに衝撃を受けたエヂです⎛´・ω・`⎞
そして実は「インセプション」の監督、クリストファー・ノーラン監督もそんなマトリックスに影響を受けた人の1人であり、この映画はそのアイデアをノーラン監督風に更に昇華させた作品だったりする
あらすじ
眠っている人物の潜在意識に潜り込み、アイデアを盗み出す「エクストラクション(情報を抜き取る事)」と呼ばれる危険な方法を駆使して企業スパイをしているドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)
その危険な才能と、妻殺しの容疑で国際指名手配犯になっているコブの元に、彼の腕を見込んだサイトー(渡辺謙)が風変わりな依頼を持ちかけてくる
サイトーの依頼は情報を盗むのではなく、病気である競争相手モーリス・フィッシャーが経営するエネルギー複合企業を破滅させるため、後継である息子ロバート・フィッシャー(キリアン・マーフィー)の頭の中に、ある考えを植えつける「インセプション(情報を植え付ける事)」を実行するのは可能か?と言うものだった
「そんな事は出来ない」と即座に否定するコブの仲間のアーサー(ジョセフ・ゴードン)の返事に対して無言のコブ…
サイトーは依頼が成功した際の見返りとして、コブにかけられている国際指名手配を取り消し、アメリカに居るコブの娘達に合わせてやる…と告げる
サイトーと別れ、パリに戻る機内で心配するアーサーに対しコブはかつて、インセプションをしたことがあると話し始める…
マトリックス好きなら入りやすい
夢=仮想現実と考えると非常にしっくりくる作品であり、マトリックスの概念が殆どそのまま当てはまるんだけど、夢の中だからといってスーパーマンになれるワケでは無く、身体能力は現実世界と変わらない
尚、夢の世界で殺されても「通常は」現実世界に戻るだけ…という設定であり、夢から醒めるためにワザと自分の頭を撃ち抜こうとしたりする描写もある
しかし、「痛み」に関しては夢の中でも現実と同じであり、夢の中で死なないまま瀕死の重傷を追うのが1番始末が悪い
ドリーマー
夢の世界は、眠る基準となる人間をドリーマーと呼び、そのドリーマーをホスト(夢の主)として、他の人間がホストの夢に侵入する…という形で行われ、ホストが夢の中で死亡すると夢は崩壊する
このホストなんかの概念はネトゲとかやってると理解しやすく、つまり今目の前の敵は誰を基準として当たり判定を設定するか…と言う事であり、現実にVR世界でも同期ズレなんかがあるのを知っていると、更に話にリアリティを感じる…ってのは余談ですハイ…
夢の中の時間の流れ方
夢の中で、更に眠るホストを設定し、夢に侵入する事で更に深い階層に入り込む事が出来る
夢の世界の時間は現実の20倍ゆっくりと流れ、更に夢の階層を掘り下げて行くと、時間の流れは更に緩やかになる…
例えば現実世界の10時間は、夢の第1階層では1週間、第2階層では6ヶ月、第3階層では10年…という具合
キック
夢を見ているだけなのでドリーマーを激しく叩く事で、起こして夢を崩壊させる事も可能
しかし、ドリーマーに侵入する形で夢に入る場合、ドリーマーに起きられると困るので、作中ではドリーマーに精神安定剤を仕込んでから夢に侵入している
それでも三半規管に対して働きかければドリーマーを起こす事が可能であり、例えば高い場所から落下させたり、水の中に落とす事でドリーマーを起こす事が可能であり、ドリーマー以外の侵入者を決められたポイントで起こすためにこの「キック」が使われる
夢の安定のための精神安定剤が強く作用し過ぎると、夢の中で死んでも現実に戻れないまま「虚無」の世界に落ちる事があり、1度虚無の世界に落ちてしまうと自力で現実世界に戻るのは難しく、所謂「植物人間」のような状態になってしまう
トーテム
自分は今夢の世界に居るのか、現実世界に居るのかを判断するために使われる自身の所持品であり、その形、重さを他人に知られないようにする事で、自分がいる世界が夢なのか現実なのかを測る事が出来るアイテム
例えばコブのトーテムはコマであり、夢の世界だと倒れる事なく周り続ける
設定は難しいが話は難しく無い
この作品の難しさは、その「夢のルールを理解する事」にあり、逆に言うと設定さえ理解してしまえば、ストーリーはそこまで難解では無いと思う
例の如く、ラストから始まるのはクリストファー・ノーラン作品の十八番だし、あのシーンの意味が理解出来た時点で物語の80%は理解出来る筈
コブはサイトーを探し回るために相当な時間を費やし、ようやく連れ戻したサイトーの計らいで、とうとう家族のもとに戻れたラスト…
で、ここがこの最大のミステリーなんだけど、残念ながらその答えは無いらしく、推察するしか無いみたい
ただ、ノーラン監督曰く、最後にコブがトーテムの動きを気にしていない…という所がこの映画のQuintessence(真髄)なのだそうな…