火の鳥という漫画をご存知でしょうか?故手塚治虫先生のライフワークであり、残念ながら未完のまま終了した漫画作品なんだけど、アタシはこの火の鳥という作品には並々ならぬ想いがあり…
どうもエヂです⎛´・ω・`⎞
子供の頃、暴力表現を嫌う母がアタシに与えてくれた漫画は「ドラえもん」とこの「火の鳥」だけであり、アタシは幼少期にこの火の鳥を貪るように何度も何度も読んだんだ…
火の鳥とは…
「生きるとは何か」という大きなテーマの素、反戦や反核なんかも盛り込まれた壮大な物語であり、その基本思想には仏教の教えであるリーンカーネーション…輪廻転生…つまり、生命が何度も生まれ変わりながら時代時代を繰り返しながら歴史を刻んでいる…という事
前世で昆虫だったものが人になり、人だったものが微生物になったり…(まぁ、漫画の中では人は人に生まれ変わってますが)
それこそ、縄文時代から、平安時代、未来世界に果ては人類が滅亡してまた新たな人類が誕生したり…と、未来、過去と入り乱れて繋がりを持つ壮大な世界の中で人の業や生命の真髄が描かれる
そして、その世界を俯瞰で見つめる存在こそが火の鳥であり、言わば神のような存在でありながら神では無く、時に人に罰を与え、時に人に同情して助けたりもする…
ストーリーテラーのような存在でありながら、不老不死の象徴でもあり、「生きるとは何か」を考えさせる存在なんだ
エデンの宙=望郷編
アタシは知らなかったんだけど、2023年11月に映画館で「火の鳥 エデンの花」という作品が公開されていたらしく…
この「火の鳥 エデンの宙」はその「火の鳥 エデンの花」のエンディング違いバージョンであり、2024年4月時点では、サブスクリプションサービス「Disney+」で視聴する事が出来る
また、この両作品は漫画「火の鳥」の「望郷編」をベースにした作品であり、サイファイ、宇宙好きで、不思議なお話が大好きな人ならもれなくハマれると思うので是非観て頂きたい
あらすじ
遠い未来の世界…人類が地球以外の星へ移住するようになった時代の物語…
主人公・ロミは恋人のジョージと2人で地球を逃げ出し、辺境の惑星「エデン17」へ降り立った
2人はこの未開の惑星を自分達が暮らすためにテラフォーミング(地球化)しようと奮闘するが、未開の惑星での生活は苦しく、水さえ発見出来ない日々が続く…
理想と現実の狭間で自暴自棄になりそうなジョージだったが、そんな中でロミの妊娠が発覚…その事に大喜びしたジョージはある日、ついに水脈を発見するも、この掘削によって起こった地殻変動による大地震によって、掘削機の下敷きになり死亡してしまう…
ジョージが残した水資源で愛息子・カインを出産し、育てていたロミだったが、自分が亡き後、カインがひとりぼっちになってしまう現実から、自身の命を少しでも引き延ばすため、カインには13年後に目覚めることを約束してコールドスリープに入るロミ
しかし、システムの誤動作により、ロミが目覚めたのは1,300年後の世界…
目覚めたロミの前に広がっていたのは、巨大都市となった緑豊かなエデン17…
その世界はカインと宇宙人の混血種である新人類により平和に、そして慎ましく統治されており、ロミは女王としてこの世界に温かく迎え入れられる事になる…
しかし、ロミはエデンで暮らすうちに1人息子もとうの昔に死に絶えてしまった世界に困惑し、地球への望郷の念に駆られるようになる…
そんなある日、ロミはエデン17で心優しい少年コムと出会うのだが…
声優が…どんな判断や…
望郷編を知る身としては、何となく懐かしく、思い出を掘り起こすような感覚に陥りながら夢中で全話見てしまったんだけど、まず言わざるを得ないのが声優に俳優を起用したのは大失敗であるということ
一体何故、同じような事故が繰り返されてしまうのか、本当に理解に苦しむ…
声優の仕事というのはキャラクターに命を吹き込む事であり、声優さんが演じて初めてキャラクターが「生きる」のだと考えているのだけど…この火の鳥ではロミを宮沢りえさん、そしてその夫ジョージを窪塚洋介氏、悪徳商人ズダーバンをイッセー尾形さんが演じてるんだけど、まー皆んな棒である
特に夫ジョージを演じた窪塚洋介氏は本当に酷くて、まるで朗読でもしているかのような感じであり、逆にびっくりした
この選択だけでこの作品の評価はグッ…と落ちてると思うんだけど、更に残念だったのが「ちょっと端折り過ぎ」という点だったりする
まぁ、色々と大人の都合だったり、そもそもエピソードが多すぎるのもあるんだけど、ロミが苦労の末エデン17を作り上げる工程が端折られており、なんか寝てたら出来てた…みたいな設定になっているのはちょっと残念なんだ
あれでは最後の最後にロミがエデン17に望郷の念を抱く事に説得力が持たせられない…
ただ、大人の都合があるのも重々承知しており、原作ではロミが何度も近親相姦を重ねてエデン17を作り上げていたりするので倫理的に…って事なんだろうけど…ただ、それ以外に選択肢が無い中での苦渋の選択だったのは原作でも良く分かるんだけどねぇ…
最後まで見てみると「エデンの宙」のラストはアタシが漫画で見た最後とは少し違っていて、何か…儚さみたいなのが無いただのハッピーエンドちっくになっていたのがちょっとビックリ
逆に劇場公開作「エデンの花」の方は題名の花が「あの花」の事であろう事が推察出来るので、恐らく原作通りなのでしょう
サブスクで出たら是非、観てみたいなぁ…と思ってしまう…
火の鳥って本当に素晴らしい作品であり、びっくりする程、先の未来の事とかがまるで予知のように描かれていたりして…何ともロマンを感じるんです
今度はU-NEXTでアニメ版を観てみようかなぁ…( ˘ω˘